【雑談】コロナ環境での大学生の生活
みなさん、この激動の2020年の真っ只中いかがお過ごしでしょうか?
言うまでもなく世界はコロナウイルスに振り回され、その生活スタイルは大きく様変わりしました。
外出の際はマスクをつけることが暗黙の了解とされてからはや半年。
季節は夏に変わり、ひどい暑さの中で熱中症と闘いながらマスクをつけて外に出るのもためらわれ、多くの人が家にこもりがちになっていると思います。
...とは言っても社会人は出社しなきゃいけないだろうし、中高生は夏休みを削って学校で授業を受けていると聞きます。
なら大学生はどんな生活を送っているのか、というのを自分語りとともに話していこうかなと思いましたまる
振り返ること半年、無事工学部の4年になれた僕は志望していた研究室に配属され、研究テーマも決まり、新しい大学生活への希望に満ちた新入生のような気分でいました。
そのタイミングでまさかのコロナ来日。
大学に入ることは原則できなくなり、僕らはteamsで研究室のグループをつくりそこで教授とオンラインでやり取りしながら研究活動を進めていくことになりました。
とはいえ家でできることなんてたかが知れてるので、主に教授から送られてきた専門書を読んでただけでしたけどね。ありていに言えばかなり暇してました(笑)
一番きつかったのはやっぱり仲良くしていた友達と会えなくなったことですね。
直接会えないのは仕方ないにしても、四年になると人間関係が研究室関係にシフトしがちなんですよね。
当然顔も性格も知らない人だらけなので、「大学入学したはいいものの友達が全く作れない新入生状態」になってました(笑)
こんなことになるんだったら友達と同じ研究室に行くべきだったと何度も思いましたね。
大学生って共通の目的があると簡単に団結できるんですけど、それが一切なくなると割ともろくなりがちな気がするんですよね。悪い意味で大人になってしまったというか。
とはいえ悪いことばかりではありません。
四年になるととる授業もほぼないので、その分の負担は少なくて済みます。
同じ学科の後輩たちは「課題が多すぎる」とか「実験レポートがしんどすぎ」とかいって嘆いてました。
何でも聞いた話によると、実験ができないので代わりに教授が実験をやって、そのデータだけ送られてきてそれを基に合格するまでレポートを書かされたそうです。
何もわからないまま実験データだけ送られてきたらレポートに苦労して当然って感じですね。こればっかりは同情しました。
7月に入ると研究生の入構が許可されるようになり、なんとか卒論は間に合いそうな気はしてきました。
ただ、スタートが遅れた分夏休み中も定期的に大学に通うことになりましたが。
今まで知らなかったんですが教授って休み期間中でも大学に在中してるんですね。
もっと楽な仕事かと思ってました()
なんにしてもこのコロナ下での大学生活で一番大事なのは「時間をうまく消費すること」だと思います。
テレビでも「コロナ鬱」なんて言葉がよく使われていますが、やることがなくて手持ち無沙汰になってしまうのが一番危ないことだと思います。
現状忙しくて仕方ないって人はそれでいいんですが、「時間はあるけど外に出れない、人と会えない、やる気が起きない」ってのは精神衛生上よくない。
特に真面目な人ほどそうなりやすいと思います。
そんなときどうするか。
バイトをやって無理やり人とのつながりを作るのもありですが、それはそれで疲れることも多いですからね...仮にも仕事ですし...(遠い目)
家の中でできる趣味を模索してみるのが一番いいかと思います。
僕もそのクチでブログをやってます。
なにかと悩み事も多くなる時代になってしまいましたが、なんとかうまく乗り切っていきましょう!
「デロリアン」を真面目に分析してみる④(終)
「デロリアン」シリーズも今回で最終回となります。シユウです。
最後の特徴はいたってシンプル
- タイムトラベル直後に車体が極低温の氷に覆われた状態になる。
これだけです。
前回散々熱の話をしたので、今回は気分転換もかねて氷の話をしていきましょう。
まずは文中にある「極低温」がどれだけ冷たいのかを調べてみました。
絶対零度にきわめて近い低温。その温度範囲は明確ではないが,通常は液体ヘリウム4 (沸点 4.2K) 以下の温度をいう。実験室規模で低温を得るには,80K程度は液体窒素,10K程度は液体水素,1K程度は液体ヘリウム4,0.3K程度は液体ヘリウム3などの寒剤を用いる。(コトバンクより)
...なんとなく液体窒素くらいかとなと思っていましたが、実際はそれよりもずっと低く、ほぼ絶対零度に近い温度であるとのことです。
さすがタイムマシン。僕らの想像のはるか上をいきます。
極低温の定義からすれば液体ヘリウムなるものを用いらなければならないわけですが、劇中の状況からみるに、意図的に極低温にデロリアンをさらしたというわけではなく、結果的にそうなってしまったという方が妥当だと思います。
他に極低温の状況がないか調べてみると、宇宙空間が約3[K]で極低温の条件を満たしていることがわかりました。
ではなぜ宇宙空間は恒星などの熱源があるのにこんなに温度が低いのか?
それはひとえに「温められるものがほぼないから」につきます。
いくら熱くても燃えるものがなければ火はつかないのと似てますね。
宇宙は真空になっていて何もないといわれますが、実際にはごく微量の粒子があるとされています。
その影響で温度は0[K]にはなりませんが、それでも3[K]というとても低い温度になります。
...つまりデロリアンは真空に近い状態にさらされたことになります。
宇宙に飛び出てしまったのかはわかりませんが。
話は変わりますが、皆さんは「エネルギー保存の法則」を覚えていますか?
「外力が働かない時、速度エネルギーとポテンシャル(高さ)エネルギーの和が一定になる」というあれです。
実は大学の物理で習うのですがあれには続きがあって、正確には「外力が働かない時、速度エネルギーとポテンシャル(高さ)エネルギーと圧力エネルギーの和が一定になる」です。
中学や高校では圧力は一定で考えるので最後の部分がはしょられているわけです。
さて、いつかの記事で僕は「デロリアンは光速よりも速く動けるから過去に行ける」という仮説を立てました。
デロリアンが光速で動けば、デロリアンの周囲にある気体は相対的に考えて、同じだけの速度でぶつかってくることになります。
つまり、気体の速度エネルギーがものすごい大きいんですね。
ここで高さの変化がないとして、エネルギー保存の法則を使えば圧力エネルギーがものすごく小さくなる、つまり真空状態になるということがいえます。
そうなれば気体の状態方程式から考えて、温度がものすごく低くなります。
これで極低温の説明は一応できました。
もっともこんなことすれば中の人間は無事では済まないということを無視しなければなりませんが…
これにて「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに登場するタイムマシン「デロリアン」の考察は終了です。
架空のものを考えるということでかなりガバガバな説明になってしまっているところも多数ありますが、作品の1ファンとしてなかなか楽しめました。
最後にデロリアンの魅力が詰まった動画をそっとおいて終わりにしたいと思います
「デロリアン」を真面目に分析してみる③
このシリーズも3回目になりました。どうも、シユウです。
今回の内容は特性の3つめ、
- タイムトラベルの瞬間、デロリアンは閃光を放ち、地上または空中に炎のタイヤ跡を残す。目標時間への突入時には多少の衝撃を伴う。また、タイムトラベル先の時間に出現する際には、3度の閃光とソニックブームを伴う。
これを考えていきます。
まず前半部分の「タイムトラベルの瞬間、デロリアンは閃光を放ち、地上または空中に炎のタイヤ跡を残す。」ですが、これは映画「
この炎のタイヤ跡なんですが、なんと地面だけでなく空中にも残るんですよね...
これこそ、他のタイムマシンにはないデロリアンだけの魅力であり、心をわしづかみにされた方も多いんじゃないでしょうか。
自分もその一人です笑
・・・とまあ感想はこのくらいにしておいて真面目に分析していきましょう。
ここで問題となってくるのが「空中」にも炎のタイヤ跡ができるという点です。
当たり前のことですが、炎が形として残るのは物が燃えているからです。
地面ならタイヤの摩擦熱が発火点を超えたということでまだ理解できます。
ですが空中に燃えるものがあるでしょうか?
空気中には一応細かな微粒子があるので、あるいはそれが燃えるということはあるのかもしれません。
ですが意図的に大量に1か所に集めなければ、目に見える炎にはならないでしょう。
そもそもの問題として熱でデロリアンのタイヤのゴムが溶けてなくなるだろうという根本的な問題があるわけですが。
さて、今回はこっちが本題。
「目標時間への突入時には多少の衝撃を伴う。また、タイムトラベル先の時間に出現する際には、3度の閃光とソニックブームを伴う。」
ソニックブームは強力な衝撃波で戦闘機が超音速、つまり音よりもはやい速度で飛行した時なんかに轟音とともに発生します。
つまりデロリアンは最低でも音速以上の速さで移動することがうかがえます。
タイムマシンなんだからそらそうだろという感じもしますが。
そして「閃光」。
突然ですが皆さんは「閃光を発するもの」と言ったら何を思い浮かべますか?
ぱっと思いつくのは雷です。
雷は雲にたまった電荷が許容値を超えた時に雲から放出され生じるわけですが、この時の高電圧により空気中のガスがイオン化され、電子が放出することで光が生じます。
劇中でも雷を利用してタイムマシンを起動させるシーンがあるので、それと同等の電気量を扱うデロリアンで同じような発光現象が起こるのは自然かもしれません。
次に考えたのが閃光弾です。名前の中にも「閃光」って入ってますしね笑
この閃光弾の仕組みを調べたところ、内部のマグネシウムに熱を与えて強烈な光と音を発生させているようです。
そういえば中学の理科でやったような気がします...
つまり、デロリアンのどこかにマグネシウムが大量にあってそれが熱せられて光ったという説です。
ではどこにあるのか?
ここで先に述べた「炎のタイヤ跡」を振り返ってみます。
この炎のタイヤ跡から、タイヤ部分に大きな熱量が加えられていることが想像できます。
そして車のホイールには「マグネシウム合金」でつくられた「マグネシウムホイール」があります。
「炎のタイヤ跡」と「マグネシウムホイール」。
このふたつを組み合わせることで発光現象の説明とするというのはどうでしょうか?
「デロリアン」を真面目に分析してみる②
今回も引き続きタイムマシン「デロリアン」の検証をしていきます。
今回のテーマはデロリアンの二つ目の条件である、
タイムトラベルした際に出現する場所は、時空を移動した地点と同じであるため、過去または未来に建造物や道路が存在する場合、それらに衝突するなどのトラブルに見舞われることもある。
です。
タイムトラベルした先が同じ場所というのは一見当たり前のように思えますが、実はそうではありません。
なぜなら地球はずっと止まっているわけではなく、自転と公転によってずっと動き続けているからです。
つまり、ただ同じ場所に出るというだけだとほぼ間違いなく宇宙空間上に放り出されてしまう。
これでは使い物になりません…
ではどういうことを考えればいいか?
これも大きく二つに分けることができます。すなわち、
- 出現先が地球の表面上であること
- 出現先の緯度、経度が出発地点と一致すること
という条件が必要になってきます。
では、まず条件1について考えてみましょう。
地球は太陽の周りを約1年(365日)で一周します。
そして、その軌道は円に近い楕円とされています。
地球と太陽の距離は平均で約1億4960万kmなので、この値を使って軌道を円と近似した時の円周を求めてみると、その値はなんと約9億4000万km!!
出現先の許容誤差を±1mとするならその確率は2/940000000000。
百分率に直せば約0.00000000021%です。
成功率がたったそれだけしかないということなんです。
余りにも心もとない数字です...
ならどうするか?
今回は出現先に働く重力の値を調べることでこの問題を解決してみます。
重力をもとめるには中学校で習った物理の公式
をつかいます。G,M,mの値は基本的に一定なので重力Fの大きさはrの値、つまり地球の中心から自分までの距離によってのみ変化します。
タイムマシンが公転軌道上のどこかに出ると分かっているなら、その軌道上で物体に働く力が地球表面上と同じになるような場所を特定できれば、そこが地球の表面上となります。
9億4000万kmという範囲すべてをカバーするには困難かとは思いますが、ひとまずこれで条件1はクリアできました。
次に条件2です。
現在、地球表面の約71%が海面となっています。
当然この値は時代によって変化するのですが、出現先が海面上となることを避けなければならないことには変わりありません。
そのためにも緯度と経度を合わせることはとても重要です。
まず、この話をするうえでひとつ訂正しなければならないことがあります。
先ほど僕は「重力Fの大きさはrの値、つまり地球の中心から自分までの距離によってのみ変化する」といいました。ですがこれは自転の遠心力を考慮していません。
遠心力は重力とは反対方向に働く力ですから、実際は遠心力の分だけ物体に働く力は小さくなります。
この遠心力の力の大きさを決めるのが緯度です。
遠心力は地軸からの距離で変化し、北極、南極で最小(0)、赤道で最大になります。
条件1で地球の場所にあたりを付けたら、次はこの遠心力による重力の細かな変化を測定して緯度を合わせに行くという流れです。
次は経度について考えます。
これは緯度と違い、経度の変化によって物体に働く力が変化することはありません。
そもそも経度の定義が「グリニッジ天文台」という人工物を基準にしているためこれを特定するのは困難です。
人工衛星が利用できるならまだしもそれがない時代に移動するとするならどうしたらいいのでしょうか?
指定された緯度上における陸地と海面の分布を大まかに調べ、そこからあたりをつけるのがいいかもしれません。
海面上の気温はほぼ一定、陸地の気温は表面の凹凸によって激しく変化することを考えればそれも叶うでしょう。
以上の手順をまとめると
- 物体にはたらく重力の値から地球の位置を決定
- 遠心力による重力の微小な変化から緯度を決定
- 指定された緯度上の陸地と海面の分布から大まかな経度を決定
となります。
何にしても作中のように一瞬で移動するということは難しいでしょうが笑。
何かいいアイデアがありましたら是非コメントにお願いします。
「デロリアン」を真面目に分析してみる①
お久しぶりです。シユウです。
気づけば前回の投稿から一年半近くも経っていました。
その原因は実生活が多忙だったこと。
そして何よりそれ以上「時間」の世界に踏み込むには、大学の理学部で習うような複雑な公式を持ち出す必要があったからです。
それはこのブログの方針に反するのでやめにして、今回はおそらく世界で一番有名なタイムマシンである「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の「デロリアン」をテーマにしようと思います。
バック・トゥ・ザ・フューチャーを詳しく知らない人は以下のリンクからどうぞ。
デロリアンは実在の自動車である「DMC-12(デロリアン・モーター・カンパニー)」が改造されてできた劇中のタイムマシンであり、以下の特徴を持っています。
- 時速88マイル(約141 km/h)の速度で走行または飛行しているとき、次元転移装置へ1.21ジゴワット(ギガワット)の電流を流すことにより、タイムサーキットに設定された日付と時刻へタイムトラベルを行う。
- タイムトラベルした際に出現する場所は、時空を移動した地点と同じであるため、過去または未来に建造物や道路が存在する場合、それらに衝突するなどのトラブルに見舞われることもある。
- タイムトラベルの瞬間、デロリアンは閃光を放ち、地上または空中に炎のタイヤ跡を残す。目標時間への突入時には多少の衝撃を伴う。また、タイムトラベル先の時間に出現する際には、3度の閃光とソニックブームを伴う。
- タイムトラベル直後に車体が極低温の氷に覆われた状態になる。
すべて考察すると長くなるので今回は手始めに
時速88マイル(約141 km/h)の速度で走行または飛行しているとき、次元転移装置へ1.21ジゴワット(ギガワット)の電流を流すことにより、タイムサーキットに設定された日付と時刻へタイムトラベルを行う。
の部分について考えていきます。
この部分を簡単にまとめると
- 時速141 [km/h]で移動する。
- 次元転移装置に1.21 [GW]の電流を流す。
となります。
まず条件1ですが、時速141 [km/h]というのは時間を飛び越えるにしては小さすぎる速度のように思えます。頑張れば高速道路でも出せます。
必要なエネルギーは電気エネルギーで賄えているように思うので、この行為にはほかに役割があるように思います。
そこで気になったのが、何がタイムトラベルするのか?ということです。
劇中ではデロリアン及びその車内の人とモノがタイムトラベルできています。
なぜ都合よく車内のものだけなのか?それは
次元転移装置が周囲を識別し、141 [km/h]という速度を持ったものだけをタイムトラベルさせている
というのが僕の仮説です。
この141という数値が絶妙で、例えば近くに高速道路があったとして、そこでは100~120 [km/h]程度で車が走っているわけですが141[km/h]という速度は法的にも安全的にもまずありえない速度です。それでいて自動車が性能的にだせる速度の範囲内である。
つまり誤って他のものを巻き込んでタイムトラベルしてしまう危険がないようにしているのではないでしょうか。
そして肝心の条件2ですが、これはタイムトラベル理論そのものに直結する話で容易に分析できるものではありません。
ただし、明確な特徴が見受けられます。それは
- タイムマシンが完成するときよりも過去に行ける
ということです。これは「双子のパラドックス」のような小手先の主観による時間操作とは全く性質が異なることを意味しています。
というのは、時間を遅らせたり早めたりしているのではなく、明確に時間が逆行しているのです。
有名なところでは「物質が光速を超えると時間は逆向きに進む」という考え方があります。それにのっとるのが一番妥当ですがそれ以上踏み込む材料は残念ながら見受けられませんでした…
光と時間
今回は光と時間の話をします。シユウです。
まずは特殊相対性理論で扱われる2つの原理に着目します。
1.光速度不変の原理
突然ですが、みなさんは「光速度不変の原理」という法則を知っていますか?
簡単に言うと「慣性系*1では観測してる人間や周りの環境によらず、光は常に一定の速度で移動する」というものです
例えば、「時速100kmで移動する自動車から時速100kmの速さのボールを投げたときの速度はどうなるんや?」というのを考えた時、思いつく選択肢としてはどんなものがあるでしょうか?
①速度の合計である時速200kmになる。
②ボールそのものは時速100kmで投げているので、そのまま時速100kmになる。
③わからない。現実は非情である。
・・・もちろん答えは①です。車の外から「時速200kmで飛んでいくボール」が確認できます。
でもちょっと待って!車に乗っている人間からしたらボールは時速100kmやん!
と主張する人がいるかもしれません。
実はそれも正解です。内容に間違いはありません。
ただ、起こっている物事をわかりやすくするために「止まっている地面*2」を基準に速度を考えるのが一般的だとされているだけです。
ここまでが前置きです。
この知識を頭に入れたうえで「光速度不変の原理」の説明を見るととても奇妙じゃないですか?
だって車の中から見ても、外から見ても光の速度は変わらないということが書いてあるんですから...
2.相対性原理
相対性原理とは「止まっている時も一定の速度で動いている時も観測者からすると全く同じ運動法則が起こる」ということです。
動いている電車の中で真上にボールを投げた時に、止まっている地面の上で真上に投げるのと同じように、ちゃんと真下にボールが落ちてきてキャッチできるのはこの相対性原理によってどちらの場合でも同じ運動法則が働くからです。
どちらも同じだけの時間をかけてまた手の中へ戻ってきます。
しかし、電車の中で真上に投げたボールというのは上方向だけでなく、電車の進行方向にも速度を持っています。
つまり、外から見るとボールは右上に上がって右下に落ちているということ。
ここで注意しなきゃいけないのは「働く物理法則は同じでも、ボールが移動した距離には大きな差がある」ということ。
移動にかかった時間は同じなので、ボールの平均の速さが距離に応じて速くなっているということなんです。
このように移動する環境の中では、どんなものでも速度が上がるんですね。
これが光速度不変の原理との矛盾点です。
光は常に秒速約3億メートル*3で移動すると決まっています。
・・・つまり「距離に差があって、かかる時間が同じなのに、速度に差がでない」ということが起こりうるんです。
この問題を解決するにはどうするか?
それは「かかった時間が同じではなかった」という風に理解するんです。
これが俗に言われる「時間が引き伸ばされた」とか「時間が縮んだ」ということの正体なんですね。
速く移動すればするほど距離の差も大きくなるので、経過する時間も短くなります。
普通に生活する分にはなんら影響はありませんが。
1年間スペースシャトルで宇宙旅行をして、地球に帰ってきたらそこでは10年の時間がたっていたというのはこういうカラクリがあったんです...
拡散と時間
お久しぶりです。シユウです。
今回は前回の記事で少しだけ触れたエントロピーに関するお話です。
エントロピーが増大する理由
エントロピーとは物質のバラバラ具合のことで、エントロピーが大きい程バラバラで、小さい程かたよっています。
エントロピーは時間の経過とともに大きくなっていきますが、これは組み合わせの総数の大きさが関係して起こっていることです。
一定の大きさの空間に対して一定の量の気体を入れたとき、その気体が配置される場所にはいくつかのパターンがあります。
このとき、気体がかたよった状態よりも気体がバラバラになっている状態のほうが圧倒的に数が多いんですね。
すなわち、エントロピーの大きいものの方が小さいものよりも圧倒的に組み合わせの総数が大きいということになります。
組み合わせの総数が大きいということはそうなる確率が大きいということなので、時間がたつほど、より可能性が大きいバラバラな状態になっていくということがわかると思います。
これが時間経過でエントロピーが増大していく理由です。
ここで注意しなくてはいけないのは、この現象は分子がランダムに動く場合にのみ限られます。つまり、ずっと同じ方向に動いたり、きまった法則にのっとって動く場合はこの限りではありません...
ちなみに高校数学の確率を使うと
上図のように地面の上に球があり、1秒毎に1/2の確率でランダムに右か左に移動する場合、時間がたつとどの程度球はもとある場所から離れていくでしょうか。
計算すると、
2秒後に球が元の場所に戻ってきている確率は1/2
4秒後に球が元の場所に戻ってきている確率は3/8
8秒後に球が元の場所に戻ってきている確率は35/128
・・・
このように時間がたてばたつほど、球は元ある場所から遠ざかる確率が高くなっているのがわかります。
これで「時間がたつほど、より可能性が大きいバラバラな状態になっていく」がなんとなくわかってもらえたのではないでしょうか。
カオス
では、そもそもこの世の物質はランダムに動いているのか?と聞かれたらどうでしょう。
「いや、そんなはずはない。だって学校で運動方程式や物質に働く力の大きさの式を習ったしそれに基づいてるはずだ!」とはじめ僕は思いました。
そしてそれは間違いではありませんでした。間違いなく物理法則に基づいて動いており、それゆえに初期条件と働く物理法則で物質の動きは完全に予測できます。
ですが、実際はとてもたくさんの外的物質から影響をうけるのでその動きは複雑でランダムに動くのとほぼ違いがありません。
つまり、完全な乱数ではなく疑似乱数なんですね。根本にはちゃんとしたルールがあるから6V厳選できるのと同じことです。
とはいえ限りなくランダムに近いということはランダムに近似してもいいということです。この性質を「カオス」といいます。
この世界はカオス的な性質があるのでエントロピーが増加するということです。
ちなみに生物を構成する高分子も例にもれずカオス的な性質をもっているので時間がたつとともにバラバラになります。
生物はみな一生懸命にこの変化にあらがって生きているのですが、老化して力が弱まると耐えきれなくなって異常をおこしてしにます。
これが老衰の原理です。らしいです。僕は最近このことを知ったんですがめちゃくちゃ怖くないですか?だって自分の死は予約されてるってことなんですよ...?
情報量と時間
それはさておき、僕たちはカフェオレを作らないと時間の流れを認識できないわけじゃない。
なら、このエントロピーの増加と時間感覚がどういうふうにつながってくるのか。
一説によると脳に蓄積される記憶量の増加と関係があるのではないか?と言われています。
人は生きていくうえで常に記憶を増やし続けています。
記憶が増えるということは情報が整えられるということなのでエントロピーは減少していきます。
この減少の方向が人の感じる時間感覚の方向と一致するのではないか?
そんな話もあります。
なら逆に記憶を少しづつ消していけば時間が逆行しているように感じるのでしょうか...?
それもひとつのタイムリープの形かもしれませんね。
また、「楽しい時間ほどはやく過ぎて、つまらない授業は長く感じる」という経験が誰しもあると思うのですが、これも情報量の増加と結び付ければうまく説明できそうです。
つまり、面白いゲームをしているときなんかは短時間でとてもたくさんの情報量が頭の中に入ってくるので時間が加速したように感じ、つまらない授業を受けているときはほとんど情報が入ってこないので時間が引き伸ばされたように感じているのかもしれないということ。
退屈な時は何か他のことを考えれば考えるほど時間はすぐに過ぎてくれるのはこのせいかもしれませんね。
補足(3/16)
・「場合の数」という表現をより分かりやすくするため、「組み合わせの総数」という表現に変更しました。
・「エントロピーが増大する理由」に補足説明を加えました。